人気ブログランキング | 話題のタグを見る

カナダ.バンクーバー近郊でケータリングサービスをしています。日々の生活、大好きなスケート、そして子供達の事を綴ります。


by precioushearts
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

本を読み返したら我慢できない!

『お弁当屋さんの日記』を訪問してくださりありがとうございます。
励みになりますので応援クリックよろしくお願いします!
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケートへ
にほんブログ村
*************************************
昨日の夜から雨が降り出し、今朝は気温がグッと上がり朝10時で4℃。
今日から最低気温も4〜5℃で落ち着くようで、大寒波はひとまず終りでしょう。
寒い日が続くとフレーザーリバーには上流から氷が流れてきます。
本を読み返したら我慢できない!_c0080075_3105345.jpg

本を読み返したら我慢できない!_c0080075_3104048.jpg



さて一昨日のブログで久しぶりにエカテリーナ.ゴルデーワさんについて書いてから、久しぶりに「愛しのセルゲイ」を読み返しました。
本を読みながらその時の演技を見ると、これまたいいもんですねぇ。
「この時はこんな事を考えていたんだ」とか「苦しい時期だったんだね」とか。


エカテリーナは4歳の時にスケートを初めて、最初は週に3回の練習をし、5歳になると集に5回の練習をしていたのだとか。
その当時のロシアの学校は10年制で7歳で入学して16歳で卒業。
そしてエカテリーナはスポーツ選手専用の学校に通い、十分に上達しないと進級もできないようになっていて、1年の時に40人ほどいたクラスメートは、卒業時には男子5人、女子5人しかいなかったそうです。
エカテリーナはジャンプが苦手で学校の競技会でも最高で3位にしかはいれなかったのだとか。
しかし彼女のペアスケーターとしての素質は早い時期から認められ、11歳の春に選抜試験に合格し、その年の秋にはセルゲイとペアを組むようになりました。
エカテリーナにとって4つ上のセグゲイは細身でハンサムなお兄さんと気になる存在だったそうです。
セルゲイもそれまではシングルスケーターとしてのトレーニングを積んでいましたが、ジャンプが得意ではないと言う事でペア選手に転向したのだとか。


しかしシングルスケーターとしてトレーニングを積んできた二人には全ての技も基本からのやり直し。
簡単な助走-クロススケーティングでさえ全く勝手が違い、二人を戸惑わせました。
特にエカテリーナに合わせるため、セルゲイはいつも小さな歩幅で滑らなくてはいけなかったのだとか。

男性が女性を持ち上げるリフトも複雑なテクニックが要求され、種類ごとに手のつなぎ方も違うのだとか。
へぇ〜二人でがっちりつないでいる訳ではないのですね。
エカテリーナは手を鍛えるため重りをロープで縛り付けた棒を握って上げたり下げたりする練習を繰り返したのだとか。
ここの辺り昔のロシアのスポ根具合が分かりますよね。
ちなみにこの当時のロシアではスケーターの気持ちを考えるという概念自体がなく
「いいからさっさと滑ってきなさい。スケートが好きじゃない?
それはお気の毒だね」
と言う感じだったそうです。
あぁ、やはり怖ロシア。

そしてペアの技で華やかな技「スロージャンプ」と「ツイストジャンプ」
男性が女性を人形のように空中に高く投げ上げるジャンプで,女性が自分で着地するのが「スロージャンプ」、男性がキャッチして氷に降ろすものが「ツイストジャンプ」です。
回転数や踏切の仕方のよって様々な種類があり、難度も違ってきます。
スロージャンプは男性の力が加わるので、一人でジャンプするよりも高く、飛距離も違ってきます。投げられて空中に高く上がると、自分がどの位氷から離れているのか距離感がつかみにくくなるのだそうです。
エカテリーナ達はリンクの外で分厚いマットを弾いて練習して、できるようになってから氷の上で練習を重ねた様ですが、果てしなく転び続け、「スロー」とコーチが指示すると最初のうちは怖くてたまらなかったそうです。

そして二人並んでそれぞれが飛ぶソロジャンプも二人同時に合わせて飛ばなくてはいけません。
それも二人の間隔が離れていてはいけないし。
ジャンプにはいるタイミングがずれていても減点の対象になりますし。

そうして見るとペアの選手はジャンプにはいる足の運び、飛ぶタイミング、着地の流れ具合、その次に出す足のタイミングさえぴったり。
リンクを横切るときでさえ二人の足の運びはぴったりですものね。
ちょっとした動作に見えるものでさえ二人で何万回も繰り返し練習した努力の賜物なのですね。


今さらだけど改めて二人の演技を見返しちゃいましょう。
二人が初めて世界ジュニア(開催地は日本.札幌)に出た時のショート演技「Zorba the Greek」

エカテリーナは12歳。ちっちゃーい。
セルゲイも体つきが少年だなぁ。
身長差47センチなんだそうです!!!
この時はまだ二人のシンクロ具合は全盛期よりも少ないし、エカテリーナ演技途中でよろけているところもあります。
世界ジュニアは初出場で6位。


そして二人の快進撃は翌年の世界ジュニア優勝から始まります。
それ以降二人は出場する試合では優勝、もしくは2位という輝かしいキャリアを重ねていくのです。
そしてこれが世界ジュニア優勝の翌年、シニアの世界選手権。
初出場、初優勝を飾った1986年のフリー演技。

エカテリーナ14歳。当時の最年少の世界チャンピオンです。
2年前とは大違い。ものすごく完成度の高い演技です。
エカテリーナ背が伸びてきたね。身長差が32センチに縮まりました!
それにしてもこの頃の日本の解説、いいですよねぇ。
変なキャッチフレーズやあおりもなく、選手について適切な情報を入れながら、ついつい口からでてきちゃうって感じの「きれいですねぇ〜」「良いと思いますねぇ〜」なんてほのぼのしています。
これは平松さん?

「愛しのセルゲイ」を読んでいてびっくりだったのが、この当時のコーチの暴君ぶりや他の女性スケーター(それもばっちり実名で)に対してのセクハラの話を書いていて、
「えー、そんな事まで書いてて大丈夫なの?」
なんてびっくりしました。
今では人気振り付け師のアンナ.ズエワさんが作ったプログラムをコーチが大幅に変更して、技だけが目立つテーマも振り付けもない嫌いなプログラムだったとさえ書かれています。

エカテリーナ、ぶっちゃけ過ぎだよ(驚)

さらにホームシックで精神的に不安定だった彼女は、突然世界チャンピオンの仲間入りした事に戸惑いこんなに簡単だなんて何かがおかしいと,優勝後はホテルで泣き続けていたのだそうです。
リンクを下りたら14歳の小さな女の子のままだったんでしょうね。


そして1986年の夏、暴君のズークコーチを数人のスケータ達がヘッドコーチから外す嘆願書を上層部に出し,新しいコーチのもと前年度に大きく手直しされたマリア.ズエワさんのプログラムを新しく作り直してもらい、お気に入りのプログラムで新しいシーズンを迎えます。
このシーズンでは新しい大技に挑戦する二人。

4回転スプリットツイストです。

公式戦でこの大技はまだだれも挑戦した事もなく、この技ができるのは彼らだけだったのです。
(小さな試合では挑戦した選手がいたらしいのですが、ここはよくは分かりません)
エカテリーナはその大技を難しいというよりはとても体力を消耗する技だったと言っています。
その大技4回転スプリットツイストに1987年ヨーロッパ選手権で挑戦した二人。
まずはその演技をごらんください。

そう、セルゲイの衣装の一部が取れてしまい、ジャッジが危険と判断して演技を中断する様促すも二人は滑り続けるのです。
ホイッスルは二人の耳にも聞こえていたもののとまれという合図とは気がついてなく、コーチを見ても特に止めろという風には合図もしてこない。
すぐ後に難度の高いトリプルサルコウのスロージャンプが控えていたので、そっちに神経を集中させ、それが決まるとこのまま演技を続けたい気持ちになったのだとか。
セルゲイに「滑り続けよう」と言われ、音楽なしで最後まで滑り続けた二人。
会場中もの凄い手拍子と拍手。

しかしこれがジャッジの警告を無視した態度ととられ失格と見なされてしまいます。
演技を中断していたら、残りの2組のペアの演技後、休憩をはさみもう一度演技のやり直しができたのだそうですが、経験不足からくるコーチの判断ミスでした。

そしてあの大技を解説のスコット.ハミルトン、あろう事か「3回転」と解説。
そしてジャッジの多くも3回転と見違えてしまったのです。
なんてこったぁ〜。
体力の消耗が激しい割に、特に点数が伸びる訳ではないという理由でカルガリーオリンピックではこの技を封印した二人。
あー、もったいない。

<当初の予定と違って大作になりそうなので、一度ここで終りまーす。>
*************************************
*「続き待ってるよ!」とクリックお願いします。
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケートへ
にほんブログ村
by precioushearts | 2012-01-22 05:23 | スケート