今日は大作だー!
2011年 01月 22日
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じめじめですねぇ。
さぁ今日は大作。だって金曜日だもの。
1年ほど前に友達から
「Maksimって知ってる?スルツカヤとか織田君がプログラムに彼の曲使ってるんだけど、すごーくいいからいつか彼の事をブログで書いてよ」
とリクエストされていました。
なんでも彼女はMaksimのCDを聴いて感動し、Maksimに北米でも演奏活動したらいいのにとメールを送ったら、出演依頼をしてきたイベント関連の人と勘違いされて
「じゃぁそれを取り仕切ってよ」
なんて言う風に返信が来て驚いたらしいです。
何ともぶったまげ。
Maksimくん、おっちょこちょい?
Maksimは超イケメンのピアニスト、そしてパフォーマー。

クロアチア出身のピアニストで、小さい頃からその才能を開花させていました。
15歳の頃にクロアチア紛争が起こり、彼は戦火の中、地下室でピアノの練習を続けます。
その後、色々なコンクールで優勝し、現在はクラシック音楽とのクロスオーバー(ジャンルの垣根を乗り越えて音楽性を融合させるスタイル)という分野で活躍しています。
彼の甘いマスク、それでいてピアニストとしても高いテクニックに注目され人気があるのですが、その一方クロスオーバーで演奏される音楽を毛嫌いする人も多いようです。やはり新しいスタイルの音楽ですから賛否両論出て来るのでしょう。
先日映画の話を書いたのですが、その中で「Shine」の動画を貼付けました。
私が「Shine」でお気に入りの場面はピアノを弾かせてもらえないデービットが、以前見かけたピアノパブに楽譜を抱えて入っていき、「何だあいつは?」と言う雰囲気の中で突然ピアノを弾き始める場面です。
そのときデービットが弾いていたのが『Bumble Bee』と言う、早くて高度なテクニックが要求される曲です。
「Shine」の動画をブログに貼付けようと探している時に、横に表示される関連動画に他のピアニストが『Bumble Bee』弾いている動画があり、引き寄せられるようにクリックしたのが、Maksimが演奏した『Bumble Bee』だったのです。
テクニックはもちろんの事、音が多彩でキラキラしてて。
で、彼の関連動画を次々に見ていき、「はっ」としました。
これはイリーヤ.スルツカヤさんがプログラムで使っていた曲だって。
そして友達がブログで書いてほしいって言っていたMaksimだ。
今まで別々にあった点が一気に線につながった瞬間でした。
まずはイリーヤ.スルツカヤさんのこの演技をご覧ください。
これはスルツカヤの2004年世界選手権での演技。
えぇ、精彩を欠いた演技です。
しかしこれにはドラマがあります。
イリーナ.スルツカヤさんはロシア出身の女子シングルの選手。

世界ジュニア優勝、ロシア女子シングル選手として初めてヨーロッパ選手権優勝を飾ったスルツカヤ。
長野オリンピックはメダルには届かなかったもの素晴らしい演技を行い、それからはミッシェル.クワンさんと金メダルを競っていきます。
ソルトレイク.オリンピックではショートでクワンよりも難度の高い演技を行なったスルツカヤがまさかの2位。
フリーでのミスが響き、アメリカのサラ.ヒューズが金メダル大本命のスルツカヤとクワンを飛び越してのびっくりの金メダル。
キス&クライでは気丈に振る舞ってましたが、舞台裏で号泣していた彼女。
ロシアスケート連盟はショートでの判定にある種の意図が入っているのではないか(クワンを勝たせるためにってことですよ、ぶっちゃけ)と正式に抗議文書を提出したのですが、その抗議は却下され、スルツカヤも結果を受け入れて帰国。
しかし帰国した彼女にファンから純金製の金メダルがプレゼントされたのです。
「あなたが本当の金メダリストなのは私達が一番知っているわ」
翌年のシーズン半ばにお母さんが病に倒れ、スケートと看病に疲れ果てていくスルツカヤ。
そんな彼女も自己免疫疾患(アレルギー性肉芽腫性血管炎)にかかり、気管支炎を併発、一時期は歩行も困難になりました。
復帰は不可能と思われていたのですが、ロシア連盟の要請を受けて出たのが上で紹介した動画、2004年の世界選手権だったのです。
確かにこの時の演技は体調が万全のスルツカヤの演技からは程遠いものです。
が、演技の後の彼女の表情はスケートをする喜びに溢れています。
きっと長い闘病の間、この瞬間を目指して必死で生きようとした、そんな彼女の思いが現実に叶った瞬間だったのでしょうね。
ぐすん、ぐすん。
そしてこの時に使用されている曲がMaksimの『クロアチアン・ラプソディー 』
復帰を果たしたスルツカヤはその後、無敵でした。
まさに連戦連勝。
翌シーズンには同じプログラムでもう一度世界選手権に臨みます。
さぁ、これが本当のスルツカヤ。ご覧ください。
2005年 世界選手権フリー
そしてソルトレイクの雪辱を果たすべく金メダルを取りにきたトリノオリンピック。
彼女がショートに選んだ曲もMaksimの『死の舞踏』
完璧!
これでついにオリンピックの金メダルが彼女のもとに......と思ったのですが、オリンピックの女神様は彼女には微笑みませんでした。
フリーでは最終滑走で堅くなりミスを連発してしまうスルツカヤ。
金メダルは荒川さんが取り、スルツカヤが手にしたのは銅メダル。
しかしスルツカヤは笑顔で言います。
『That's life(それが人生)』
えーん、ぐすん、ぐすん。
その後彼女は試合に出る事なく、現在は男の子を出産し、ロシアのアイスショーに出演したりしています。
スルツカヤは色々なジャンプの組み合わせを次々と飛び、たくさんの「史上初」の栄誉を持っているスケーターです。
(3ルッツ-3ループは女子選手で史上初めて彼女が飛び、今シニアの女子でISUの公式試合で成功させているのは安藤美樹選手だけです。)
念願のオリンピックの金メダルは手にする事はできませんでしたが、誰よりも困難と真正面に立ち向かい、多くの人々の心に感動を起こした選手。
ぜひぜひ彼女の演技を彼女の生きてきた道筋をふまえてみてください。
イリーナ.スルツカヤさんは尊敬すべき、そしてずっと語り継がれるべき最高のスケーターです。
えっ?Maksimの話じゃなかったのかって?
あはは。結局スケートネタになっちゃいましたね。
じゃぁ最後はきちんと!?Maksimくんの演奏でしめましょう。『死の舞踏』
そして哀愁溢れる「クロアチアン.ラプソディー」
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